原爆資料館の被曝再現人形の撤去から考える戦争博物館の存在意義。広島県民の視点から。

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 戦争,原爆,原爆資料館,戦争博物館  
   

こんにちは。

ごりぱちです。

2017年4月25日、広島の原爆資料館から、被曝再現人形が撤去されました。

▶︎被爆再現人形姿消す、広島の原爆資料館改装で来月25日 来館者ら惜しむ声

広島県民だった僕は、毎年のように原爆資料館に行っていましたが、被曝再現人形を初めて見た日のことは忘れることができません。

通路を曲がると、怖そうな音楽と共に、右手に急に現れる、全身がボロボロの被曝再現人形。

被曝人形を見て叫んでしまった日のことは、忘れることができないくらい、脳裏に焼きついています。

「原爆って怖いな。。。」そんなことを、強烈に頭に叩き込まれた小学生時代でした。

広島県民として、被曝人形の撤去は非常にショックだったのですが、その時は特に何か思うことはありませんでした。

しかし、世界一周をして、ドイツやベトナムの戦争博物館に行った時に、僕は戦争博物館の存在意義を初めて理解することができました。

この記事では、僕なりの戦争博物館の存在意義や、原爆資料館の被曝人形が撤去されたことに関して、今更ながら僕なりの意見をまとめています。

海外の戦争博物館に対して興味がある方は、是非読んでみてください。

では、レッツゴー!!!

被曝再現人形が撤去された理由

そもそも、なぜ原爆資料館の被曝再現人形は撤去されたのでしょうか?

以下、広島市の主張です。

凄惨な被爆の惨状を伝える資料については基本的にありのままで見ていただくべきという方針の下、この度被爆再現人形を撤去することとしたものであり、見た目が恐ろしい、怖いなどの残虐な印象を与えることなどを懸念して撤去するものではありません。

被爆再現人形は、非常に印象に残り、当時の情景を伝えているという展示だというご意見があります。しかし、一方で被爆者の方は、無残な遺体がたくさんあり、男女の区別さえつかず、親子でさえ見分けることができない情景を体験されています。そうした状況からは、被爆再現人形に対して「原爆被害の凄惨な情景はこんなものではなかった。もっと悲惨だった」といったご意見もあります。展示をご覧になられる方の見方によっては、原爆被害の実態を実際よりも軽く受け止められかねません。来館された全ての方々に悲惨な被爆の実相を現実に起こった事実として受け止めていただき、こうした惨劇を今後二度と繰り返してはならないという思いを心に刻んでいただきたいと考えており、そのためにも誰が観覧しても個々人の主観や価値観に左右されない実物資料の展示が重要と考えております。

引用▶︎「原爆は過去の話ではありません」 被爆再現人形の撤去について、24歳のボランティアガイドが考えたこと

「残虐な印象を与えてしまう影響を懸念したのではなく、もっと悲惨だった現実との乖離、要するに再現性がなく、誤解を生んでしまう」という発想からの被曝再現人形撤去の意思決定だったようです。

ここで僕はこう思いました。

「100%再現されていないと、展示してはいけないのか?展示しているそもそもの目的はなんだったのか?」と。

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戦争博物館の存在意義

もし、原爆資料館の目的が「原爆の悲惨さを100%再現すること」だとしたら、今回の決定は一応納得できます。

しかし、もし、原爆資料館の目的が「戦争の悲惨さを伝えること」だとしたら、僕はこの決定に頭をかしげてしまいます。

なぜなら、僕が初めて戦争の悲惨さを学んだのが、他でもない原爆資料館であり、被曝再現人形だったからです。

「こんな風になっちゃうのか。。。なんて怖いんだ。。。戦争って怖いんだ。。。」と、強烈に脳裏に刻み込まれたことが思い出されます。

確かに、もっともっと悲惨だったのでしょう。再現性が高くなかったのでしょう。

それでも、リアルを知らない僕にとって、被曝再現人形の再現度がなんであれ、その存在感は圧倒的でした。

僕はこれまで、イギリス・ベトナム・ドイツの戦争博物館に行ったことがあるのですが、日本と比較して、えぐい表現や、生々しい展示が多く、インパクトがめちゃくちゃ大きかったことを覚えています。

あくまで、僕の限られた体験からの意見になりますが、「戦争博物館はいかに戦争の悲惨さを伝えられるのか?」が価値だと思っているので、そう言った意味では、被曝再現人形の価値はとてつもなく高かったと考えています。

子供の頃、毎年のように原爆資料館へ行っていましたが、必ずと言っていいほど、被曝再現人形の前で子供が泣いていました。

あれは見た人にしか分からないと思うのですが、本当に怖いのです。

どれだけ再現性に問題があろうとも、めちゃくちゃ怖くて、一瞬で戦争の恐怖を、原爆の恐怖を頭に刻み込まれるのです。

被曝人形が撤去されて思うこと

すでに被曝再現人形が撤去されて3年が経ち(2017年撤去、2020年に記事執筆)、「今更意見なんていうんじゃねえよ!」という感じですが、外国の戦争博物館に行き、改めて原爆資料館の被曝再現人形の存在価値に気づくことができたので、こんな記事を書いています。

被曝再現人形、再現性が低いのかもしれません。

しかし、あの怖さ、脳に一瞬で刻み込まれるインパクトを考えると、近い将来、被曝再現人形が再び原爆資料館に登場することを僕は祈ってしまいます。

戦争博物館の価値、あなたはどう考えますか?

興味が出た方は、是非原爆資料館や、海外の戦争博物館に足を運んでみてください!

新しい発見があるかもしれませんよ!

では、今回はここまで!

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

また次回、お会いしましょう。

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