広島に人が住めるのか聞いてきたトルコ人に答えるために、放射性物質について調べてみた。

公開日:      
 放射性物質,原爆,原発  
   

こんにちは。

ごりぱちです。

トルコのイズミールという街のAirbnbで滞在していた時のことです。

その家はシェアハウスで、僕たちの他には、もう1組のトルコ人カップルが滞在していました。

シェアハウスなので、必然的に仲良くなり、お互いのことを話すようになるのですが、僕が「日本の広島出身だ」ということを伝えると、まさかのリアクションが返ってきました。

🇹🇷「広島!?まじ!?広島って原爆の街でしょ?」

🇯🇵「え?うん。そうだけど、なんでそんなにびっくりしてるの?」

🇹🇷「だって、原爆が落ちたんでしょ!?人が生活してるの!?」

まさかのリアクションに僕は唖然。。。

この記事では、トルコ人の彼が、原爆が落ちた広島には人が住んでいないと考えた理由や、放射性物質の違いによる人体への影響などを紹介しています。

では、レッツゴー!!!

⬇︎インド人が日本に対して抱く印象が面白かったのでシェアします!

広島には人が住んでいないと思っていた理由

🇹🇷「原爆が落ちたのに、広島には人が住んでいるのか!?大丈夫なのか!?」

彼のリアクションを見て、僕は呆気に取られてしまいました。

彼は、トルコの有名な大学に通う大学生だったのですが、「原爆が落ちた広島と長崎には人が住んでいない。」と思っていたようで、とてもびっくりしていました。

*そもそも、日本に原爆が落ちたことを知っている時点で、よく知っている方ではあります。

🇯🇵「いや、普通に生活してるよ!後遺症とかもないし!」

僕は心の中で、とても不思議がっていました。

心の声「なんでこんなにびっくりするんだろう。。。」

そして考えてみたら、すぐに答えが出てきました。

それが、チェルノブイリの原子力発電所の事故です。

▶︎あなたの知らないチェルノブイリの15のこと。

▶︎1986年4月26日,チェルノブイリ原子力発電所事故(wiki)

今から約35年前に起きた事故ですが、未だに立ち入り禁止区域があったり、後遺症に苦しむ方がたくさんいます。

⬇︎チェルノブイリの立ち入り禁止区域をインタビューした番組です。

また、チェルノブイリは、ウクライナに位置しており、トルコからだと極東の日本に比べてはるかに近く、身近な存在であることは間違いありません。

⬇︎チェルノブイリの場所です。

チェルノブイリの原子力発電所事故の影響は凄まじく、いつ元通りになるのかは全く見通しがたっておりません。

広島の原爆が75年前、チェルノブイリの事故が34年前であることを考えると、トルコ人の彼が「広島って人が住んでいるの!?」という疑問を持つのは、全く不思議なことではありません。

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広島原爆・福島原発・チェルノブイリの何が違うのか?

🇹🇷「チェルノブイリは今でも人が住めないっていうのに、なんで広島では大丈夫なんだ?何が違うんだ?教えてくれよ!」

こんな質問されても、専門家でもなんでもないので答えようがありません。

ただ、大学院で福島の放射能汚染された土壌の研究を少しだけ手伝っていた時に知ったのは、放射能汚染物質であるセシウムには同位体があり、物質の半減期に差があることでした。

▶︎同位体とはなにか?

▶︎半減期とはなにか?

🇹🇷「それに、福島でも原発事故があって、そこはまだ立ち入り禁止の場所もあるるんだろ!半減期とかよく分からないけど、日本人なら説明できて当然だろ!」

そんなことを言われたら、僕も調べざるを負えません!

そこで色々調べていると、興味深いことが分かってきました。

*あくまでも、ネット上に落ちている情報をまとめたものです。間違いがあったらごめんなさい。

*ここでは、放射された放射線物質について比較しています。死傷者数などは比較していません。

*ここで書きたい内容は、放射性物質の半減期の違いによって、トルコ人への回答を考えているのであって、「福島原発の方がチェルノブイリよりひどい!真実と異なっている!」「こんなデマ流すな!」という指摘はお控え願います。。。

放射性物質の半減期について

放射性物質にはたくさん種類があるのですが、その中でも半減期が長いのがセシウム137とストロンチウム90です。

セシウム137の半減期▶︎30.1671年

ストロンチウム90の半減期▶︎28.79年

▶︎原爆と原発について

これはつまり、100個分の放射性物質を出す能力が半減するのに、30年ほどかかるということです。

同じ放射性物質であるヨウ素の半減期が8.02070日、セシウムの放射性同位体であるセシウム134の半減期が2.0652年であることを考えると、その期間の長さに驚きを隠せません。

*ちなみに、原子力発電の燃料であるウランが燃焼した際に生成されるのがプルトニウム(よく聞く名前)の半減期は、24,000年と、途方もない数字です。。。

▶︎プルトニウムについて

▶︎放射能について学ぼう

ここで頭に入れておきたいことは、「原発事故・原爆といえども、どんな放射性物質が、どれくらいの量放出されているかによって、人間が住めるようになるかどうかが分かれてくる」という点です。

広島原爆とチェルノブイリ

IAEA(国際原子力機関)によると、チェルノブイリ原発事故によって放出された放射性降下物の量は、広島に投下された原爆によって放出された放射性降下物の量と比較して、およそ400倍と見積られています。

また、チェルノブイリ原発事故では、広島原爆に比べて、セシウム137が890倍ストロンチウム90が87倍とそれぞれ報告されており、土壌汚染に関してはチェルノブイリ事故の方が広島原爆より大規模であったと考えられています。

▶︎チェルノブイリ事故との比較(wiki)

先ほど紹介した、半減期が約30年間であるセシウム137とストロンチウム90の放出量は、チェルノブイリの事故の方が圧倒的に多いことが分かります。

これが、現在では100万人都市まで発展した広島と、まだ立ち入り禁止区域のあるチェルノブイリの違いの大きな要因を占めていると考えられます。

福島原発とチェルノブイリ

次に、福島原発とチェルノブイリを比較してみましょう。

一応、環境省が出しているデータでは、福島原発の際に放出された放射性物質の量は、チェルノブイリの原発事故の時よりも少ないことが報告されています。(キセノン133を除く)

▶︎チェルノブイリと福島第一の放射性核種の推定放出量の比較

特に、半減期が30年程度のセシウム137とストロンチウム90に関しては、セシウム137がチェルノブイリの18%、ストロンチウム90がチェルノブイリの1%と、比較的少なかったことも報告されています。

▶︎東電福島第一原発の事故はチェルノブイリより実はひどいのか?

が、しかし、「政府の主張は間違っている!」という方も、もちろん存在しています。

どちらが正しいかは闇の中ですが、様々な意見を知っておくことが大事だと思います。

▶︎福島事故とチェルノブイリ事故を比較する ―何という日本市民の人権の軽さー

福島原発と広島原爆

経済産業省原子力安全は、福島第1原子力発電所1~3号機から放出された放射性セシウム137が、広島に投下された原子爆弾の168個分にあたるとの試算結果を公表しています。

試算によると、セシウム137は福島第1原発から1万5000テラ(テラは1兆)ベクレルが放出され、ヨウ素131は16万テラベクレル、ストロンチウム90は140テラベクレルが放出されたと報告されており、それぞれ広島原爆2.5個分、2.4個分に相当するとのことです。

▶︎福島第1のセシウム放出量、広島原爆の168個分

半減期が30年間であるセシウム137やストロンチウム90の数字が、福島原発の方が大きく、現在の立ち入り禁止区域に人が住めるようになるのには、時間がかかりそうなことが予想されます。

国際交流で学ぶ大事なこと

ここまで、色々と比較してきましたが、トルコ人の質問に答えるとしたら、こんな回答になります。

🇯🇵「土壌に残って深刻な影響を与える放射性物質の量が、広島よりもチェルノブイリの方がたくさん放出された。だから、広島には人が早く住めたんだ。」

外国人に同じことを聞かれたら、セシウム137,ストロンチウム90,半減期30年といったキーワードを駆使して、説明してみてください。

「お前、詳しいじゃん!やるな!」ってリアクションされます。笑

今回のことを通じて、「自国で起こった事件について詳しく知っておかないといけない」という責任感だったり、「自国のことを海外の例と比較して話せることの重要性」を改めて学ぶことができました。

ということで、今回はここまで!

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

また次回、お会いしましょう。

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⬇︎チェルノブイリの立ち入り禁止区域をインタビューした番組です。

⬇︎インド人が日本に対して抱く印象が面白かったのでシェアします!

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