こんにちは。
ごりぱちです。
夫婦で世界一周中、南インドのコーチンで、リキシャを運転しているおじさんからこんな声をかけられました。
おじさん「50ルピー(約70円) でコーチンの観光名所を回ってあげるよ!!!」
値段からして明らかに怪しかったのですが、暇を持て余していた僕たちはリキシャツアーに参加してみることに。
しかし、まさかリキシャ運転手のあんな闇を学ぶことになるとは、夢にも思いませんでした。。。
とうことで、この記事では、コーチンのリキシャツアーの内容と、運転手が抱える経済的な闇の部分について紹介しています。
では、レッツゴー!!!
⬇︎コーチンの観光についてまとまっている動画です。(英語)
⬇︎地球の歩き方が、可愛くなっています。分かりやすくてオススメです。
⬇︎南インドをディープに知るなら、こちらの本がオススメです。
リキシャツアーの概要
まず、このリキシャツアーの概要について説明します。
料金:50ルピー(約70円)
安すぎ!!!!
*チップもあげましょう。求められないですがあげましょう。あまりにも安いので。
所要時間:14時から17時までの3時間
*ただ、色々あって19:00くらいまでかかりました。。。詳細は後ほど。。。
ツアーで回る場所:
・聖フランシス教会(バスコ・ダ・ガマが眠る教会)
・サンタクルス大聖堂
・チャイニーズフィッシングネット
・Dhobi khana public laundry(歴史ある洗濯場。一番面白かった。)
・香水屋さん
・スパイスマーケット
・お土産屋さん5箇所
*スパイスマーケットは、時刻が19時を回りそうだったのでパスしました。。。
伝えておきたいこと:お土産屋さんは、必ず5箇所回らなければいけないらしく、しかも一件一件多少なりとも時間がかかるので、意外と疲れます。笑
ドライバーの人はめっちゃ親切ですし、無理にお土産を買う必要もありません。追加料金も一切取られないのですが、時間だけ異常にかかるので、そこだけ注意が必要です。
また、なぜお土産屋さんに5箇所も回らなければならないのか、そこには闇が潜んでいるので、そのカラクリは記事の後半に紹介していきます。
リキシャツアーの全容
では、早速リキシャに乗って、コーチンツアーへ行ってみましょう!!!

ツアースポット① 聖フランシス教会
インドで最も古いキリスト教会。1503年にポルトガル人によって建てられた、インドで最も古いキリスト教会の一つ。インド航路を開拓した探検家バスコ・ダ・ガマが埋葬された教会としても有名です。
by trip note
▶︎「バスコダガマ」は何した人?インド航路開拓の経緯とその功績
はじめに連れて行ってくれたところが、聖フランシス教会です。
「よくポルトガルからこんなところまで来たよなー。」と感慨にふけりながら、20分くらい教会をプラプラしていました。
ドライバーの人は、基本リキシャで待ってくれていて、特に時間の制限もありません。
多分、どのスポットも、いたいだけいれると思います。笑
⬇︎聖フランシス教会の場所です
⬇︎聖フランシスコ教会の外観です。
ツアースポット② サンタ・クルス大聖堂
こちらも、1505年にポルトガルからやってきたカトリックの宣教師によって建設された教会です。
コーチンは治安も良く、非常に穏やかな土地なのですが、キリスト教やヒンズー教、イスラム教が混ざり合っており、宗教対立があんまりないからなのかもしれないですね。
⬇︎サンタ・クルス大聖堂の場所です。
⬇︎白を基調としたモダンな教会です。かっこいい。
ツアースポット③ Chinese Fishing Nets
チャイニーズ・フィッシング・ネットは、南インドのケララ州、コーチン近郊でのみ見られる仕掛けで、その昔中国から伝わったということから「中国式の魚獲り網」というネーミングがつけられています。
丸太を何本も使って組み上げた大がかりな装置で、巨大な網を海中に沈め、魚の群れが通り過ぎるタイミングを見て引き揚げます。
コーチンの海には魚が多く、最初は小さな魚しか獲れなくても、何度も繰り返すうちに大きなものも獲れるそうで、この漁は数百年もの間続いています。
by いい旅インド
事前に調べる限り、割りとインスタ映えスポットして有名だったので、少し期待して行ったのですが、全く漁師さんがおらず、閑散としていたので、5分もせずに立ち去ることになりました。笑
タイミングの問題だったのかなあ。。。
⬇︎Chinese Fishing Netsの場所です。中心街からほと近いです。
⬇︎そこまで美しくはなかったです。。。笑
ツアースポット④ Dhobi khana public laundry
コーチンで、数百年も前から続いている家族経営の伝統的な洗濯屋さんです。
僕は個人的にここが一番好きでした。
リアルな生活が見れるのと、実際にアイロンとか使わせてもらって、どれだけキツい仕事なのかを体験できたからだと思います。
ちなみに、みんなが使っている鉄のアイロンは、重さが10kgもあります。。。
⬇︎仕事現場をわかりやすくまとめている動画です。
⬇︎洗濯屋さんの場所です。中心街からは少し離れています。
ご高齢のおばあさんも仕事をしています。10kgのアイロンを持って一日中仕事をしているとか、想像を絶します。

ツアースポット⑤ 香水ショップ
次に向かったのは、コーチンのユダヤ人街にほど近い香水屋さんです。
日本人ともビジネスをしているらしく、日本で購入すると1本3,000円するような香水が、ここでは300円とかで購入できます。
実際、質も良さそうだったのと、値段も高いわけではなく、そして勧誘も若干しつこかったので、僕と妻で1本ずつ購入しました。
なんだかんだ、店員さんとの会話とか、インド特有の花の匂いとか勉強できたので、なにげに楽しかったです。
⬇︎香水屋さんの場所です。
⬇︎店内の様子です。香水で溢れています。
ツアースポット⑥ スパイスマーケット
最後のツアースポットは、スパイスマーケットです。
ここには、インド独特のスパイスが山のように売っています。
しかし!ここには結局行きませんでした!
なぜなら、この時既に時刻は19:00!
すでにツアーを開始して5時間が経過。。。
かなり疲労していたので、僕たちはドライバーの人にスパイスマーケットをスキップするように伝えました。。。
気になる方は、ご自身の足で行ってみてください!
⬇︎スパイスマーケットの場所です。
⬇︎こんな内装らしいです。カレー好きにはたまらないかもしれないですね。
リキシャドライバーの闇
ここからは、リキシャツアーに参加して見えた、リキシャドライバーの闇について説明していきます。
最初に説明したように、このツアーの料金は50ルピー(約70円)です。
しかも、なんだかんだ5時間くらい経ちました。
すると、時給は15円くらいになります。
なぜ、そんなことが可能かというと、「お土産屋さんに5件行く」というのはキーワードになります。
リキシャドライバーは、お客さんを指定の5件のお土産さんに連れて行くと、最終的に5kgのお米がもらえるそうです。
また、もし僕らはお土産屋さんで商品を購入すると、その購入金額の5%-10%がドライバーに還元されるらしいのです。
そんな話を聞きながらツアーを回っていたら、お土産屋さんで何か買った方がいい気がしますが、
ドライバー「まじでいらなかったから、何も買わなくていいよ!無理するものじゃない!」と、すごい笑顔で接してくれました。
それが本心かどうかわかりませんが、お土産屋さんでピンと来る商品が皆無だったので、僕たちは何も買うことがありませんでした。笑
ちなみに、インドの平均年収(国民一人当たりGDP)は、20万円/年ほどと言われています。
日本が400万円/年なので、その差は20倍です。。。
▶︎インドの平均年収はいくら?格差大国インドの驚くべき給与事情
また、日本貿易機構のJETROが調査したとあるリキシャドライバーの月収は、毎日休みなく働いて14,000ルピー(約20,000円)です。
JETROが調査したドライバーは、家電もあり、一応家もあるので、わりと良い方の生活なのかもしれません。
僕らが乗ったリキシャツアーの場合、1日に2組相手できたとして、収益は100ルピー(143円)とお米10kgです。
これを毎日したとしても、食うには困らないかもですが、月収は3,000ルピー(約4,300円)です。
なんかもう、言葉が出ません。
ドライバーの方に話を聞いてみました。
ドライバー「生活は苦しいけど、これしかできない。妻や子供、病気の両親のためにも働かないといけないから、休みなんてあるわけないよ。ドライバー以外の仕事もしてるけど、毎日必死さ。余裕なんてないよ。」
こんな話を聞いて、僕はツアーに参加したことを少し悔やんでいました。
「それなら、普通に500ルピーくらい最初に渡せばよかったな。」
「てか、こんな非合理的なツアーをいつまでやるんだろう。」
「どれだけお金を稼ぐチャンスがないんだろう。」
いろいろな思いが頭に浮かびました。
そして何より、一番驚いたのが、ツアー終盤、ドライバーが急に交代したのです。
ドライバー「すまん。両親の体調が悪いから、病院に行かなきゃいけない。友達のドライバーにあとは頼んだから。ごめんね。」
混乱しましたし、まだインドに入って3日くらいだったので、新手の詐欺かなんかかと思いもしました。(変な人に囲まれてお金をたかられるとか)
しかし、本当に何事もなく、普通の友達が来て、僕らをホテルまで送ってくれました。
しかも、僕たちが病院に行く彼にチップを渡そうとすると、
ドライバー「いや、いいよ。コーチン楽しんだ?それでokさ。」とスマイルを見せて去って行ったのです。
彼の生活事情と、彼の行動の乖離が凄まじい気がして、なんだか不思議な気持ちになりました。
一応、彼の友達に「このお金は、病院に行った人に絶対渡してくれよ!」とつたえて、お金を託しました。
きちんと彼のもとにお金がいったことを祈るばかりです。
インドの貧困は、日本の想像の遥か上を生きます。
「地元の人の生活をよくするために、少しでもお金を落とせる人になりたい」と思える良い機会になりました。
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では、今回はここまで!
最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。
また次回お会いしましょう!