こんにちは。
ごりぱちです。
先日、ポケットマルシェの取締役である高橋さんが主宰する車座に参加していきました。
▶︎高橋博之とは?ポケットマルシェとは?はじめての方にご説明します!
おはようございます!まもなく6時から、730回目の #車座
— 高橋博之@ポケマルCEO~47都道府県情熱行脚中で現在17ヵ所目の広島県→47caravan.com (@hirobou0731) October 6, 2020
滑り込み参戦、歓迎!農家の現場から耳だけ参加、歓迎!#農家の朝礼
僕が参加した時は、高橋さんを含めて10人くらいが参加しており、朝7時から環境問題について、農家のあり方について、熱い話をしてもらいました。
ポケマルの代表である高橋さんと少人数で話せる機会は本当に貴重だと思うので、参加希望の方は、twitterで高橋さんにDMしてみてください!
僕も高橋さんにDMして車座に参加しました!
そしてこの車座、新しい出会いも提供してくれます。
僕の場合、車座を通じて今回の記事の主役である川部養魚場さんと出会いました!
熊本の阿蘇で、渓流の女王と呼ばれる最高級のヤマメの養殖をしている川部養魚場さん。
ポケマルでのご縁や、「ヤマメ食べたことないから食べてみよう!」という好奇心に従ってヤマメを注文してみたのですが、それがめちゃくちゃ美味しくて感動!
直筆のお手紙ももらい、「なんて心意気なんだ!」とさらに感動!
「どんな人が、どんな思いでヤマメの養殖をしているのだろう?」と気になりインタビューを申し込んでみたところ快諾していただきました!
この記事では、川部養魚場さんの打越友香さんにお話を伺い、川部養魚場のこだわりや大事にしたい想いについてまとめています!
では、レッツゴー!!!
▶︎目指すはECサイトではなく“生鮮版Facebook”。なぜポケマルは「直販力をもつ生産者」を育てようとしているのか?(川部養魚場さんも取材されています!)
⬇︎熊本新聞にも掲載されています!
川部養魚場について
Q. 始めに、川部養魚場の簡単な歴史について教えてもらえますか?
川部養魚場は、熊本県阿蘇郡高森町の標高700mにある老舗やまめ・虹鱒の養魚場です。
1969年に創業され、今年で51年目を迎えます。
川部家はヤマメ一家と言っていいくらい、ヤマメとの関係性が深く、初代の川部一美は4人兄弟(男3,女1)の長男なのですが、その他の男兄弟はみんな阿蘇にいて、全員ヤマメの養殖事業を経営しています。
それくらい、川部家は、ヤマメと関係性が深かったんですね。
川部養魚場の初代社長である川部一美は、まだまだ輸送ルートが今ほど整備されていない時代の中、自前でセスナを買い、九州内外をパイロットして飛び回り、新鮮なヤマメを届けることにこだわりを持って仕事をしていました。
それが話題となり、「なるほど・ザ・ワールド」にも出演したこともあるんです。
また、ヘリを用いて、熊本県内の赤十字とも連携し、医療への貢献も果たしていました。
そもそも、ヤマメの養殖業を始めたきっかけですが、初代社長の川部一美の父がもともと林業をしており、「林業じゃ食っていけない!」となり、ヤマメの養殖を始めたようです。
初代社長の川部一美は60代という若さで亡くなってしまうのですが、死の直前まで酸素ボンベを持ちながら湧水ヤマメの育成に従事するほどの働き者でした。あまりにも、あまりにも早い死でした。。。
そこで、川部家の三男が社長になり、その息子が現在の川部養魚場の専務であり、主人である村上寛直です。
私自身は、特にヤマメと関係があったわけではなく、結婚した主人についてきた感じですかね。笑
Q. “ヤマメの養殖”という未知の世界に入ることに不安はありませんでしたか?
もともと私たち夫婦は、阿蘇の高森でヤマメの養殖業を始める前に、福岡に10年ほど住んでおり、主人が有名人御用達の某イタリアンで働き、私は百貨店の某ブランドで、ブランド品を販売していました。
結婚をする際、主人の家業であるヤマメの養殖をすることは頭では分かっていたのですが、すごく正直に言うと、「ヤマメの養殖は無理!」とずっと思っていたんです。笑
また、私は山口の下関出身で、海が大好きで、海の食材で育ちました。
そして、海が大好きな私は、海の魚が大好きで、ヤマメといった川魚にはあんまり関心がなく、彼とお付き合いするまで食べたことすらなかったんです!
こんな、「阿蘇のヤマメ養殖業に絶対嫁がなそうな私」が、実際に嫁ぐことになったのは、ヤマメの美味しさに心から感動したからなんです。
初めて阿蘇でヤマメを食べた時、あまりの美味しさに「こんなに美味しいんなら来ても良いか!笑」と思えました。笑
自然豊かで、農業も盛んで、子供の子育て環境も良かったのもありますが、そもそも私がヤマメの大ファンになり、「ヤマメは嫌!阿蘇は無理!」と言っていた私が、意気揚々と川部養魚場に嫁ぐことになったんです。
ヤマメについて
Q. ヤマメの美味しさの秘密について教えてもらえますか?
ヤマメ(山女魚)は山間部の最上流域の清流に分布し、川魚の女王と呼ばれています。その味は、その名の通り川魚では最も美味しいとされています。
しかし、近年では自然破壊の影響で生息地の清流がなくなり「まぼろしの魚」とも言われるようになりました。
▶︎ヤマメとサクラマスの違いは!?絶品料理や渓流の女王の正体とは
ご存知の通り、阿蘇には白川水源という日本の名水100選に選ばれるような素晴らしい水源があります。
そんな阿蘇の綺麗な水を使って育てられたヤマメの品質は天下一品です。
ヤマメ自体、とても繊細な生き物なので、新鮮さを考えるとスーパーに卸すことができません。
なので、近隣の旅館さんであったり、レストランさんだったり、新鮮さが保つことができる直売でのみでの販売が基本となっているのです。
阿蘇の素晴らしい環境だけでなく、ヤマメの品質を日々管理している職人たちの存在も自慢の一つですね!
雨の日も風の日も、暑い日も寒い日も、職人たちがヤマメの健康状態をしっかり管理しているからこそ、美味しいヤマメを提供できているんです。
目で見て、手で触って、一匹一匹しっかりチェックしています。
効率化を計って、手作業の部分を極力減らす業者さんが増えてきていますが、私たちは「食べることは生きること」という想いを胸に、私たちなりのこだわりを持って、心を込めて生産していきたいと思っています。
Q. ヤマメの養殖の一大イベントと言えばなんですか?
ヤマメの養殖におけるビッグイベントと言えば、「ヤマメの産卵」です!
私達は創業当時から、自社でふ化▶︎育成▶︎出荷まで徹底した管理のもとで魚を育てています。
卵のふ化から行う事は、手間はもちろん、膨大な時間・リスクを伴います。
その年により産卵できる雌と雄の量も違い確実な卵が確保できない、また受精が上手くいかなければ翌年の魚が出来ず得意先にも迷惑がかかる危険性もあります。
魚が卵を産んでも、実際に稚魚になるのは50%と、ヤマメの養殖技術は極めて難しく。。。
そのような状況下でも、誇りを持って、手間をかけて育てているからこそ、私たちは自信を持って、ヤマメをお客様のもとにお届けできているのです。
ポケットマルシェに出店した理由
Q. 今まで旅館やレストランに直売していたと伺いましたが、どうしてポケットマルシェへの出店を始めたのですか?
私たちはコロナが流行する2020年の4月まで通信販売を行っていませんでした。
先代が黒川温泉・筋湯温泉・小田温泉・内牧温泉といった旅館やレストランにヤマメを卸しており、「阿蘇にきたからこそ味わえるヤマメの醍醐味」を大事にしたかったので、通信販売は全く考えてもいませんでした。。。
阿蘇の自然に囲まれ、取れたてで新鮮なヤマメを串に刺し、味噌をつけて田楽にして味わう絶品ヤマメを、その伝統を大事にしたかったんです。
しかし、コロナが蔓延に、そもそも阿蘇に来たくても来れない状況になってしまいました。
そんな時、私たちが体験した熊本地震のことを思い出したのです。
▶︎熊本地震について
2016年に発生した熊本地震、私たちも被災し、3日間ほど全ての輸送が止まり、冷蔵・冷凍庫にある食材で食べ凌いでいました。
そんな時、被災地支援に来ていた自衛隊の方が山崎パンを持ってきてくれたのです。
久しぶりのパンを食べた時、息子がこんなことを言っていました。
「パンってこんなに美味しかったんだね!!!」
息子の笑顔で、家族みんなが幸せな気持ちになったことを、今でも鮮明に覚えています。
この災害を通じて、幸せを分かち合えることの大切さを痛感したんです。
今は、コロナが蔓延し、世の中には困った人が溢れています。
そんな状況に直面した時、私たちが災害の時に助けてもらったことを思い出し、「コロナで困っている人たちに、美味しい食べ物をシェアしたい!ヤマメで笑顔を届けたい!」という思いが募り、ネット販売への思いが強まりました。
そんな時、高橋さんの「食べることは生きること」という言葉をきっかけにポケットマルシェの存在を知りました。
高橋さんが行っていた東北食べる通信の想い、ポケットマルシェにかける想いを知るにつれて、「この人がやってるポケットマルシェに出店したい!」とビビっと感じるものがありましたね。
その後、ポケットマルシェのセミナーへ参加した際、「農家も自分を表現しないといけないよ!」と言われながらも、なかなか一歩を踏み出せずに足踏みをしていました。
そんな状況が一変したのが、2020年7月、九州での集中豪雨によって、川が氾濫し、一瞬で道路が川へと変わった時のことです。
配管が壊れ酸素が回らず土砂の影響で濁っている水の中で、大半のヤマメがやられてしまい。。。
そんな時、繋がりが全くなかった農家と消費者をシェフたちが繋いでくれる「Cook For Japan」という支援活動を行なっている神谷シェフが「ヤマメが大変だから!」と、SNSを通じて、いろいろな方へ繋いでくださいました。
私たちを支えてくださった皆様への感謝の気持ちを直接伝えたい想いもあり、この時をきっかけにTwitterを始め、今でも発信し続けています。
*ポケットマルシェ代表の高橋さんも、豪雨の際に尽力してくださいました。感謝の気持ちでいっぱいです。
【熊本県阿蘇郡高森町の生産者からSOS】
— 高橋博之@ポケマルCEO~47都道府県情熱行脚中で現在20ヵ所目の鳥取県→47caravan.com (@hirobou0731) July 23, 2020
コロナ禍でヤマメ🐟の売上が98%減に落ち込んだ。個人直販で立ち直りかけたとき今度は水害が直撃。山からの濁流に飲み込まれ、ヘドロと瓦礫に埋もれた。なんとか死守した池には4000匹のヤマメがいる。是非、皆様の食卓のお皿へ🙏https://t.co/Guip7xqkPU pic.twitter.com/3d6ItGbgZV
大切にしたい想い
Q. 川部養魚場が大切にしたい想いはなんですか?
「安ければいい。」ではなく、「高いものには高いなりの理由がある」
今の世の中は、とにかく価格競争が激しく、「品質はともかく、安ければ良いんだ!」という風潮が強すぎる気がします。
安さだけに走ってしまうと、こだわりがある、想いのつまった商品は無くなってしまいます。
私たちは、安いものだけが氾濫する未来にはなって欲しくありません。
ヤマメの養殖も、ものすごく手間がかかります。
雄の精子を出して、卵にかけて、1mm程度の大きさの卵が受精しているかをチェックして、台風の日も雪の日も池に入り、出荷の規格を満たしているか、手作業で一匹ずつ確認しています。
気の遠くなるような作業を繰り返しつつ、それでも「本当に美味しいヤマメを皆さんに届けたい!美味しい食べ物を食べてほしい!」という想いを持って、誇りを持って仕事に臨んでいるところです。
Q. 通信販売をして、どんな変化がありましたか?
ネット販売を通じて、全国のお客様から感謝を言葉をたくさんもらうようになりました。
毎月のように手紙をもらい、静岡からお茶を送ってもらうこともあり、驚きの連続です!
素晴らしいお客様と出会うことができ、「美味しかった!」「家族で食卓をかこめて良かった!」「美味しいヤマメをありがとう!」という感謝の言葉をもらい、使命感を持って、仕事に臨めるようにもなりました。
そして、同じ一次産業の方と関わることができ、パワーをもらい背中を押してもらっています。
今では熊本の凄腕生産者が熊本生産者に声かけて、LINEグループを作成し、情報共有をしてくれています。日々勉強させていただけていることに感謝です。
何よりも、「一生、この仕事を続けたい!」という思いが、より一層強まりました。
私たちは、水害で応援してくださったお客様に1人1人メッセージを添えています。日中は復旧作業、魚の加工や事務作業を行い、夜は子育てに追われ子供が寝静まってから夜中の2時・3時まで書き続けました。世の中の皆さんが寝ている間に努力を惜しまなかった結果、お客様からお礼のお手紙や電話がくるのだと。
「想いは必ず伝わるのだ」と、私たちは強く信じています。
Q. コロナウイルスが流行していますが、どんな影響がありましたか?
コロナが蔓延した時、売り上げは前年比で98%ダウンしました。
そこに集中豪雨が重なり、経営は本当に苦しい状況です。
そんな状況を打破するため、コロナで困っている人に美味しいヤマメを届けるため、ポケットマルシェでの販売を初めてみたら、お客様から電話や手紙をもらうことができ、心が芯から暖かくなりました。
どんなに状況が悪化したとしても、「一人でも買ってくださる方、待ってくださる方がいるなら、頑張りたい!」という想いを社員一丸で持ち、日々の仕事に邁進していく所存です。
ネット販売を通じて、これまで1,000人以上のお客様に購入していただき、そのうち7.5%のお客様がリピーターになっていただきました。
これは、私たちにとって、驚愕すべき高いリピート率だったんです!
家族経営なので、量産ができないのですが、「美味しいヤマメをありがとう!」と言ってくださるお客様のために、きちんと量を確保していきたいです。
また、鮮度を保った状態で全国の方に美味しいヤマメを食べてもらいたいので、「エドノイチ」という、空輸サービスでも商品をお届けすることにしました。
初代が始めたような、個人セスナとまではいきませんが、「より早く、より美味しいヤマメを届けたい!」という想いは変わることはありません。
▶︎エドノイチのHP
私たちの思いに共感してくださる人たちを大事にしたい。
いわゆる、「共感資本主義」も、私たちが大事にしたい思いの一つです。
Q. 川部養魚場が思い描く”ありたい姿”はなんですか?
先代の社長である川部一美が亡くなったのは、私が主人と結婚した年のことです。
先代のときは、お客様も多くおり、経営は上向きで、輸送用のヘリコプターが購入できたほどでした。
先代のお葬式には、会場に入りきらないほどの参列者の方が見え、いかに先代がいろいろな人に慕われていたのかが身に染みてわかりました。
そして先代が亡くなった後、売り上げがガタンと落ちてしまい。。。
その際に、「美味しい商品を作ることはもちろん、商品を愛してくださるお客様を心から大切にしなければならない」と感じました。
お客様は、人に、想いについてくると思うので、これからも川部養魚場の想いを発信し、ファンの方々を大切にし続けたいですね。
ヤマメのおすすめレシピ
Q. ヤマメの美味しさを引き出すおすすめレシピはありますか?
まずは、塩焼きがオススメです!
焼いた時の香ばしい香りがたまらないので、是非とも塩焼きを堪能していただきたいですね!
また、私たちが生産している「阿蘇の湧水やまめ(稚魚)」をメイン食材にして、北海道旭川市の「寿し処あおやま」さんに考案していただいたレシピでつくる『ヤマメでつくる簡単一品料理3品』もご紹介しておきますね!
とってもオススメですよ!
▶︎寿し処 あおやま
まとめ
川部養魚場さんの熱い想い、伝わったでしょうか?
インタビューをしながら、「なんて素敵な生産者なんだろう!もっとたくさんの人に美味しいヤマメを、熱い想いを伝えたい!」とさらに思うようになりました!
こんなに想いを持って生産してくださることが日本にいてくれること、本当にありがたく思いますし、誇りにも思います。
もっともっと、生産者について知っていくことが、食べ物を大事にしていくことが、私たちに求められているのです。
コロナの今だからこそ、美味しいヤマメで身も心も満たしましょう!
そして、熊本で美味しいヤマメを直接味わえる日が来るのが、今から待ち遠しいです!!!
では、今回はここまで!
最後まで読んでいただき本当にありがとうございました!
では、また次回お会いしましょう!
[email-subscribers-form id=”1″]