Teach For Japanのフェロー候補生紹介!堀上健斗さんの教育に対する想い。

公開日:2020年10月9日
     
 teach for japan, 教育, インタビュー  
   

こんにちは!

ごりぱちです。

現在、Teach For Japanの9期フェロー候補生として、2021年4月から常勤講師として教育現場に立つための研修の真っ最中です。

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▶︎Teach For Japanのフェローシッププログラム

▶︎「講師」と「教諭」ってどう違うの?~「講師」という働き方~

▶︎NPO法人と教育委員会・学校連携による、代替教員免許状の活用事例について

Teach For Japanに参加する中で、「Teach For Japanの知名度がまだあんまりない。」「どんな人たちが参加しているのか分からない。」という声をもらったので、Teach For Japanへ参加しているメンバーをブログで紹介しています。

今回ご紹介するのは、現在ビズリーチで働く堀上健斗さんです!

教育分野に関心を持った理由、Teach For Japanで実現したいこと、将来のビジョンなど、様々なトピックを熱く語ってもらいました!

Teach For Japanに興味がある方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです!

では、レッツゴー!!!

⬇︎Teach For Japan創設者である松田さんの熱い思いについて知ることができます。

堀上健斗さんの教育に対する想い

希望職種:中学校の英語教員

【経歴】
・京都大学 農学部

・京都大学大学院 農学研究科

・株式会社ビズリーチ 新卒採用担当

・株式会社ビズリーチ プロダクト企画部

教育分野へ関心を持ったきっかけ

Q. どんなきっかけで教育へ関心を持つようになったのですか?

私が教育に興味をもったのは、大学院の時です。

きっかけは、仲の良い同期が資生堂への内定が決まったときの会話です。

僕「なんで資生堂なの?」

友人「なんとなく。」

僕「何の研究するの?」

友人「育毛剤の研究だよ。」

僕「それってやりたい研究なの?好きなことなの?」

友人「うーんどうだろ。分からない。多分。」

僕「え、じゃあ、なんで入るの?」

友人「有名だしいいかなと思って。」

このやり取りから、同期の”自分のなさ”に違和感を感じました。

たとえ人生の大きな岐路であっても、”自分”がなく、いわゆる世の中的によいとされる会社に入ろうとしている。

そこに違和感すら感じていない。

なぜ「自分がない人に育ったのか」を考えたことが、教育分野へ関心あるいは課題感をもったきっかけでした。

教育分野への課題感

Q. 教育分野に対する課題感は、どんなものをお持ちですか?

長くなります。笑

まず前提として、人の心は自分本位と社会本位の2つがあるとします。

自分本位とは、自分にわがままにこうしたいと思う心のことで、社会本位とは序列やルールを守ろうという社会とバランスを取るための心です。

ちなみに私は、コーチングで「自分のやりたいこと(自分本位)を発揮する大切さ」を、生物の研究から「社会本位の仕組み」を学び知識を得ていました。

社会本位を極めると、ヒエラルキーになります。
違和感を感じるかもしれませんが、社会性とはヒエラルキーのことなんです。

社会性の最たるものは、アリやハチやハダカデバネズミです。笑
人間の持つ社会性の純度を100%まで上げると彼らのような生態になります。
興味があれば見てみてください。

▶︎「ハダカデバネズミ」の図解!極めて珍しい「真社会性の哺乳類」として知られます。

また、自分本位、社会本位という心については、フロイトの心の構造を参考にしています。こちらも興味があれば見てみてください。

▶︎フロイト「イド・自我・超自我」

さて、これらの知識を元に最初の問である「なぜ自分がない人(=自分本意でない人)に育ったのか」を考えると、あることに気が付きました。

学校教育では社会本位の気持ちばかりが大切にされている!!!

思い返してみると、学校、特に小中学校は序列やルールばかりです。

先生を敬う、先輩を敬う、年長者を敬う、つまり序列を尊重した態度をとれば、怒られない。

黒髪以外禁止など、特に目的が説明されることなくルールを守らされる。
私の学校では、テストで毎回学年1位を取るのに態度が悪いからと5段階で3の評価がついた友人もいたほどです。

この違和感から「確かに社会とバランスを取ることは大事だけど、もっと自分のやりたいを大切にする教育になったらいいのに」と考えるようになりました。

さらに考えを深めていきます。

私が、次に考えたことは「これは本当に良くないことなのか?」です。

確かに個人的には社会性偏重の教育に違和感を抱きましたが、世の中にとって良いのであれば良いことだと思っています。

そこで、そもそも教育とは何ためにあるのかという教育の目的に照らし合わせて、良し悪しを考えてみることにしました。

そもそも教育、特に違和感を覚えた義務教育とはなんのためにあるのか?

義務教育は税金でできています。税金を投資しているわけです。

投資にはリターンが必要です。リターンは納税でしかありません。

ということは、投資した額以上の納税を得られるように義務教育を行うわけです。

つまり、社会で働いて税金をより多く納められる人材を育てるために義務教育はあります。もちろんこれが目的の全てではないですが、大きな部分を占めていると考えています。

語弊の無いように。お金は国民を幸せにするための仕組みなので、これは国家として正しいあり方だと思っています。

さて、義務教育は、より社会で活躍する人を育てるためのものだとしたときに、社会性偏重な人材を是とすることは適切なのでしょうか?

私は、今は時代に合っていないと考えています。

昔の軍隊や二次産業の工場であれば、社会性があって序列や規律を守れる人の方がより活躍できると思います。

ただ、今は多くが三次産業です。

三次産業では序列やルールを守ることよりも、自分らしさを出して創造性豊かに振る舞う方が価値があります。

これも語弊の無いように。決して二次産業を否定しているわけではないです。全員二次産業ではなく、割合として三次産業的な人の割合が増えた方が産業に合っているという意味です。

やっとまとめです。

長くなりましたが、やっと違和感が課題感になりました。

「”産業は三次産業にシフトしている。”にも関わらず、義務教育は、二次産業的な人材を輩出しつづけているのではないか。」

「もっと三次産業に適した人材を、自分のやりたいことを大切にするような人を育てる教育はできないのだろうか。」

これが、教育への課題感になります。

▶︎【日本のすがた】第1次,第2次,第3次産業とは

▶︎なぜ第三次産業の割合がこんなに増えたの?~日本の資源・エネルギーと産業~

教員として働こうと考えた理由

Q. 文科省や企業ではなく、なぜ教員として働くことにしたのですか?

物事を変える時、実行役と旗振り役は一緒に動かないといけません。

ここでいう旗振り役は国になります。

実際、教育基本法や学習指導要領などをしっかり読み込むと、旗振り役である国は、割と良いことを言っています。

描いている将来図も決してずれておらず、間違っていないと思っています。

では、なぜ教育業界は変わらないのでしょうか?

その一つの仮説として、私は「学校現場に課題があるのではないか?」と考えています。ここでいう学校現場は、そもそもの”仕組み”なのか、”文化”なのか、校長や教員といった”役割”なのか、明確ではありません。

ただ、なにか現場に変えられない理由があるはずです。

そこで、私は現場を体験することを最優先しました。

一次情報こそが全てであり、当事者にならない限り話は始まらないと考えたためです。

もちろん、中学校の学習カリキュラムも変化していて、自分の頃とは変わっているなと思うところもあります。一方で、まだそんなことをいっているのと信じられない出来事も耳に入ります。

こういった現状を踏まえ、教員として現場に入ることを志望しました。

ビズリーチからキャリアをスタートさせた理由

Q. 教育分野へ進むことを決めた上で、ビズリーチからキャリアを始めた理由はなんですか?

国が旗振り役としての役割を果たす際、旗振りの方向性の具体性を定めるのは常に社会です。
プログラミング教育や英語教育に力を入れるのも、社会がそれを求めているからです。

繰り返しになりますが、教育の本質のひとつは国力の向上です。

税金を投じて、生産性の高い人間を作り、育った人間が社会で活躍することで、投資した税金以上の税収を回収する仕組みはずっと変わりません

▶︎産業革命から現在の義務教育は始まった

そんな背景を踏まえ、「教育の方向性を決める社会についてまずは理解する必要がある!」と就活の際に考えました。

社会は視点を個人にすると”働く”になります。

”働く”ということを最先端で考えその課題を解決しよう奮闘するビズリーチに入れば、一番”働く”を理解できると考え、ここでキャリアをスタートさせることを決めました。

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Teach For Japanを選んだ理由

Q. 教育関連の団体はたくさんありますが、その中からTeach For Japanを選んだ理由はなんですか?

Teach For Japanの存在は新卒一年目の時から知っており、「臨時任用免許で現場に行けるなら別に教員免許取らなくていいや!」って思っていました。笑

僕は教員免許を持ってないので、Teach For Japanは本当に画期的でありがたいです。

入社時から30歳で教員になることを決めていたので、ビズリーチでの採用時も、Teach For Japanの試験を受けることを伝えていました。

「30歳になるまでに、義務教育の課題が解決されていたら、僕自身は教員として働く必要はない」と思っていたのですが、まだ解決されていないようなので、この道になりました。

Q. なぜ中学校の教員を志望しているのですか?

現場さえ知れれば「自分としてはどこでもいいな」と思っていたのですが、結局中学校にしました。

なぜなら、「中学校は社会の力学が届きにくい場所だ」と考えたからです。

大人の働き方が変われば、大学が変わります。

▶︎就活ルールの廃止で就活はどう変わる?生き残る為にするべき事とは?

大学が変われば、大学入試が変わります。

▶︎センター試験廃止へ 2020年度の大学入学共通テストは結局何が変わる?

大学入試が変われば、高校が変わります。

例えば、ビズリーチでは、大学一年生から就活をしようというサービスを展開しています。

今後、その流れが主流になることを考えると、高校生の段階で、すでに社会との関わりが見える距離にいることになります。つまり、高校には社会との関わりの力学が働くことになります。

一方で、幼少教育や小学校教育は、Z世代が親になれば少しずつ変わるかなと思っています。あと10年もすれば、子育てのあり方は変わるでしょう。

家庭教育は不可侵なので、アプローチ方法が思いつかなかったというのもありますが。そうなると、最後に残るのは、中学校教育です。

せっかく自分本位の気持ちを持って中学まで来たのに、社会性偏重の教育を受けたしまったらもったいないです。

ということで、最も変わりにくいであろう中学校への赴任を希望しています。

Teach For Japanの2年間でやりたいこと

Q. Teach For Japanのフェローとなった際、教育現場で行っていきたいことはありますか?

社会性が強すぎる教育構造を崩せるような取り組みをしていきたいです。

つまり、教室内における先生の地位を下げたいです。大学の教員と学生のような関係になると良いなと思っております。

ただ、先生が序列が上の存在にならざるを得ない状況があると思っています。

それは、1対数十人という多人数講義という形式、手に負えないほどの業務量などがそうです。生活指導も、知識の教授も、進路指導も、保護者との関係も全て教員が請負ってます。

業務が多いと、イレギュラー対応を減らすために規律を作り、業務効率をあげようという力学が働きます。

そして、それを守らせようと”管理”させようとし始めるわけです。この管理するというのがまさに”社会性”です。ハダカデバネズミのところで述べたとおり、社会性とはヒエラルキーのことなので。

なので、まずやりたいなと考えていることは「18時に先生が変えられるように環境整備をすること」です。

具体的には、「やらないことを決める」「業務の効率を上げる」です。ちなみに文部科学省もガイドラインを公表しています。

▶︎文部科学省のガイドライン

teach for japan, 教育, インタビュー

先生ももともとは自分が上に立ってやろうという考えでなく、子供の自主性を尊重しようという思いを持った方が多いと思っています。時間の余裕を作ることがカイゼンの第一歩だと考えています。

Teach For Japanに対する感想

Q. Teach For Japanでの研修が始まって3ヶ月程度たちましたが、今の率直な感想を教えてください。

良いところ

Teach For Japanに入って、徒党みたいなものを作りたいと思っていました。

聞こえとしては悪いですが、仕掛け人集団というイメージです。笑

教育構造を変えるには、数の力、集合の力が必要だと考えたためです。

具体的なアクションとしては9期全体での力の結集が欠かせないと思ったので、勉強会を積極的に開きました。

その結果、他にも勉強会が発生したり、同期全体が一つのチームとして動いていく感じがしているので、今のところ良い雰囲気で進められているかなと思っています。

同じ志を持っている人が集まっていることが、Teach For Japanの最大の魅力と言えるでしょう。

改善したいところ

Teach For Japanのビジョンには共感するのですが、若干フェローの研修生に遠慮しているような印象を持っています。

自分の意志を大事にしてほしいというメッセージが多いです。

これはこれで嬉しいのですが、自分の意志がビジョンの方向性とマッチしてるから応募しているはずなので、もう少し期待感というか圧を掛けてくれてもよいかなと思っています。

ちょっと優しすぎるところがあるような印象を受けています。

Teach For Japanを勧めたい人

Q. どんな人にTeach For Japanを勧めたいですか?

教員免許を持っていて大きな視点で教育業界に働きかけたい教員は全員ですかね。笑

ノーリスクなので。

人生の中で、何かしらの形で教育を良い方向に持っていきたいと考えている社会人にも勧めたいです。2年間という期間はちょうどよいと思うので。

ただ、今の日本だと過渡期とはいえ終身雇用の文化が根強く残っています。

社会人でキャリアを途切れさせるリスクは大きいように見えてしまいますよね。
私は、転職を扱う会社にいるのでよくわかります。

ただ、最近のトレンドだとジョブ型採用を導入する大手企業が出てきています。

▶︎日立、富士通、資生堂…大企業ジョブ型導入で崩壊する新卒一括採用

この流れを鑑みると、リスクを取ってでも主体的に行動した人材は、むしろ市場価値が高いと認識される時代が来るようにも思えます。

「キャリアなんてどうとでもなる!」と思えるような方か、「終身雇用が終わった時代を先読みしてキャリアにしがみつき続けていることの方がリスクだ」と思えるような方にお勧めします。

教員として働くモチベーションを保てている理由

Q. 様々な教育課題や、キャリアの問題を理解している中で、教員として働くモチベーションを維持でいている理由はなんですか?

一番大きいのは、24歳から5年間も言い続けてしまったのでやらないわけにいかないという気持ちです。笑

自分は「すぐにやる」というのが苦手でして。。。

ただ、すぐにできない自分を認めたくない自分もいて、よく「未来に逃げる」という考え方をしてしまいます。笑

本心では5年前の24歳就活時に、教育に関わることをした方がよいと思っていたんです。ただ、新卒の選考も始まっているときに、レールから外れて、教員免許を取るために学校をやり直せなかった。

その言い訳が「30歳になったら先生になる!その前に社会を知らないと!」だったんです。笑

本当はただ逃げただけなんですけど、社会を知るためと自分を説得し、さらに就活でも周りに言いまくってしまい、さらに5年間の社会人生活で周りに言い続けてしまいました。

そうなるとここで先生にならないわけにいかないです。

モチベーションを保てている理由は、かっこ悪いですがこんな感じです。笑

Teach For Japanの後のキャリアについて

Q. Teach For Japan終了後のキャリアのイメージはありますか?

学校現場に入り、働いていく中で、「これは流れがきてる!続けていきたい!」と感じられたら、教育委員会や行政、学校経営コンサルといった、仕組みを作る側にいきたいと思っています。

コンサル会社も考えています。

もし、全くもって手応えがない場合は、その時決めます。

世界一周でもしてこようかなあ。笑

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教員に伝えたいこと

Q. これからの教育を考える上で、教員に伝えたいことは何かありますか?

「早く帰りましょう!そのための努力をしましょう!」

まとめ

圧倒的な知識量、熱量を持っている堀上さん。

常にみんなの学習意欲を刺激してくれる堀上さんは、9期に欠かせない存在となっています。

インタビューしながら「学校現場にいったらバチバチしそうだけど、凄まじいインパクトを残してくれる人だ!」と密かに思っていました。

頭が良く、人格も素晴らしく、熱意があり、仕事もできる。

「こんな人が教員になったらどんなことをやってくれるんだろう!」とめちゃくちゃ楽しみになりました!

では、今回はここまで!

最後まで読んでいただき本当にありがとうございました!

では、また次回お会いしましょう!

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*Teach For Japanのフェローに興味がある方は、連絡をいただければ可能な限り知りたいことを共有したいと思うので遠慮なくご連絡ください!

⬇︎Teach For Japan創設者である松田さんの熱い思いについて知ることができます。

⬇︎日本の公教育が抱える課題について簡潔にまとめてあります。

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