こんにちは!
ごりぱちです。
現在、Teach For Japanの9期フェロー候補生として、2021年4月から常勤講師として教育現場に立つための研修の真っ最中です。
▶︎Teach For Japanのフェローシッププログラム
▶︎「講師」と「教諭」ってどう違うの?~「講師」という働き方~
▶︎NPO法人と教育委員会・学校連携による、代替教員免許状の活用事例について
Teach For Japanに参加する中で、「Teach For Japanの知名度がまだあんまりない。」「どんな人たちが参加しているのか分からない。」という声をもらったので、Teach For Japanへ参加しているメンバーをブログで紹介しています。
今回ご紹介するのは、M.Hさんです!
教育分野に関心を持った理由、Teach For Japanで実現したいこと、将来のビジョンなど、様々なトピックを熱く語ってもらいました!
Teach For Japanを選んだ理由も話してくれたので、進路に悩む方は必見です!
Teach For Japanに興味がある方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです!
では、レッツゴー!!!
⬇︎Teach For Japan創設者である松田さんの熱い思いについて知ることができます。
⬇︎日本の公教育が抱える課題について簡潔にまとめてあります。
M.Hさんの教育への想い

生きる上で大切にしたい考え方
「やりたいと思ったことは何でもやってみる!」
希望職種:小学校教員
教育分野へ関心を持ったきっかけ
Q. どんなきっかけで教育へ関心を持つようになったのですか?
私が教育分野に興味を持つようになったきっかけは、大学生の時に教授に勧められた、途上国を知りその国で働くワーカーや現地の子ども達を知るツアーに参加したことでした。
そのツアーでは初めて途上国・ミャンマーに行き、様々な境遇に置かれている子ども達と出会いました。夜中、車がたくさん走る大通りの白線を歩き、赤信号で止まった車の窓をたたき、物を売る小さな女の子を見た時、「まだこんな世界があるなんて・・・」と衝撃を受けました。
また、私は現地で農村や少数民族への支援(識字教育等)をしているNGO団体にもお世話になり、都市部と農村部での格差の大きさを知りました。
ミャンマーはビルマ語が公用語ですが、実は135にも及ぶ民族で構成されており、それぞれ文化や民族語を持っています。今は私が当時ミャンマーを訪れた時もよりも識字率が上がったり、学校に通える子どもは増えています。しかし、少数民族地域における教育事情はまだまだ困難な状況が多く課題もあります。
日本に住む私は母語で勉強でき、当たり前のように字が書けて、本が読めて、色々な情報を得ることができます。この現実を初めて目の当たりにすることで、私たちが受けてきた義務教育の重要性や、恵まれた学習環境が提供されていたことに気がつくことができました。
現実を見てみると、物乞いの子達は学校に行くことができず、字を書くことすらままなりません。字が書けず、文字も読めない人が、人生を劇的に変えることなんて可能なのでしょうか?もちろん、0%だとは言いませんが、その可能性は限りなく0に近いでしょう。
「この子達が物乞いを続けたら、きっと彼女たちの子どもも物乞いになってしまって負の連鎖が続いてしまうだろう。でも、この子達が教育を受けたら、その負の連鎖を止めることができるのではないか?」
ミャンマーでの経験を通じて、一気に教育に対する熱が高まった私ですが、そもそも教育学部ではなかったので教育業界に飛び込んでいけるイメージが全く湧いていませんでした。「国際関係は勉強している・・・じゃあNGO団体に入って現地で支援をする・・・支援ってそもそもなんだ?」
有名な言葉で、
授人以魚 不如授人以漁
「人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣り方を教えれば一生食べていける」
というのがあり、釣り方や釣竿の作り方、釣りの楽しみ方、色々なことを教えるのが良いと言われています。
途上国のために何かしたいと本気で考えたけれど、私には教えられるものが何もないと感じました。教育学部だったのなら、JICA(青年海外協力隊)という選択肢も選び易かったのかもしれないですし、今思えば通信で教員免許を取る方法もあったのでしょうが、当時の私は今自分にできることは・・・ということで頭がいっぱいだったのだと思います。
そして大学卒業を迎えるのですが、私はその年の9月から韓国の大学院へ進学予定だったので、3月から9月まで時間が空くことに。
「本当に私がやりたいこと、興味のあることってなんだろう。」と考えれば考えるほど、途上国支援のことが頭から離れませんでした。
結果、大学院に行くのをやめて、思い切って途上国支援の世界に飛び込むことに。
周りからは驚かれましたし、せっかくのチャンスなのにもったいないと言われ、「え、私って選択肢間違えた?!」と傷ついたりもしました。笑
でもいつも心に決めているのは、やりたい!という気持ちに従うということ。
「途上国支援ってNGOかな?現地で見つけるのかな?どうしたらいいんだろう?」と悩んだ結果、お金を貯めて東南アジアをバックバッカーとしてまわることに!
バックパッカーとして東南アジア各国を旅する中で、とても大切な出会いがありました。
それは、とある観光ツアーへ参加した時のこと。
家族旅行として来ていた、大手企業で働く日本人サラリーマンのおじさんと話をしたときのことです。
観光ツアーでたまたま一緒だったので、将来のやりたいことの話などをする中で、「私は途上国支援がしたいんだ!」と、そのおじさんに伝えていました。
するとその日の夜、おじさんが泣きながらこんな話をしてきました。
「物乞いをしている子どもからお金をねだられたんだ。でも、その後ろにはお母さんがいて、子どもを使ってお金を稼ごうとしているのは目に見えてた。それでも、目の間のガリガリの子どもを見ると、お金を渡して美味しいご飯を食べて欲しいと思ってしまう。一体、何が正解なの?この世界ってなんなの?」
そう言って、号泣しているおじさんを見て、私も号泣してしまいました。
何が正解なのか、私にもわかりません。
こんな混沌とした世界がまだまだ存在しており、イレギュラーでもなんでもないのは目を背けられない事実です。
でも、教育は、根底から人生を一変させる力があると信じています。だからこそ、教育の道へ歩むことを、新たに決意できたのです。
Teach For Japanを選んだ理由

Q. 教育関連の団体はたくさんありますが、その中からTeach For Japanを選んだ理由はなんですか?
やっぱり教育の力はすごい!と思いつつ、「いまさら教育系の大学に入り直すのもなあ。。。」とも思っていた私は、自分の武器・強みになるものは何だろう・・・と考え、日本語教育の分野を選びました。(日本語教師養成講座を修了)
日本語教師は、現地での就労ビザが取りやすく、海外で働きやすいんですよね。日本語教師の方が、途上国でのニーズも高いので、私のやりたいことができるかなって。
これまでの経験と日本語教師としての資格を持って、2020年の6月から外務省のプログラムで1年程度インドネシアへ派遣される予定でした。
東南アジアの教育に関心の強い私にとって、とても楽しみにしていたプログラムだったのですが、新型コロナウイルスの影響で最低でも1年は延期に。
「海外に行けないなんて・・・何をすればいいんだろう・・・」
途方にくれ、色々調べまくって時、たまたま目に飛び込んできたのがTeach For Japanでした。
前々から知っていたわけではなく、本当に偶然発見したんです!
「え!Teach For Japanって教員免許を持っていなくても常勤講師として教師として働けるの?それすごくない!?」
▶︎NPO法人と教育委員会・学校連携による、代替教員免許状の活用事例について
春募集の締め切り2日前で、このチャンスを逃すわけにはいかない!と、すぐに応募することに。
私にとっては、めちゃくちゃ運命的な出会いでした!笑
Teach For Japanに対する感想
Q. Teach For Japanでの研修が始まって3ヶ月程度たちましたが、今の率直な感想を教えてください。
新型コロナウイルスの蔓延で、オンラインでの研修がメインとなる中で、ここまでクオリティの高い内容を提供できるのは素晴らしいと思います。
また同期もそれぞれのバックグラウンドがあり、教育にいうものにオリジナルの思いがあって集まっているので、良い刺激をたくさんもらうことができます。
ダイバーシティな世の中になりつつあることは頭では理解していたものの、同期の多様さには本当に驚きました。
人生経験、価値観、職種など、バラバラなことばかりなのですが、教育に対する情熱はみんな共通して持っているので、毎週の講義ごとに、新たな視点での考え方を学ぶことができています。
ただ、正直不安なところもあります。
私は教員養成大学を卒業しているわけでもなく、教員免許を持っているわけでもありません。
どれだけTeach For Japanで講義を受け、模擬授業を受けたとしても、私がどのレベルにいるのか分からないので、とにかく不安になってしまうんです。
例えば、教員養成大学に4年間通って教員免許を取得する新卒の子を100とした時に、相対的に私がどのくらいなのか、不透明なんです。
「私はここまでできるようになったんだ!」というメタ認知がしづらいようにも感じています。だからこそ、やってもやっても「まだ足りないのでは。。。」と思ってしまうこともしばしば・・・。笑
でも、そんな不安な気持ちも、同期がいつも解消してくれて、
「私は私。私なりにできる範囲で一歩ずつ頑張っていこう。」という気持ちを持つことができています。
情熱あふれる人に囲まれる中で、「私はなぜここにいるのだろうか?何をしたいのだろうか?」と、自分の立ち位置を再確認するきっかけにもなるので、Teach For Japanのコミュニティの価値は本当に高いと思います。
教員として実現したいこと

Q. Teach For Japanのフェローとなった際、教育現場で行っていきたいことはありますか?
私は、教員としても、人としても、大事にしたい指針を2つ掲げています。
1つ目の考え方はこれです。
「どのような家庭環境に生まれたとしても、他者との違いに気づき、それを受容し、自らを愛して、他者を大切にできる子どもを1人でも多く増やしたい。」
この想いは、日本でも海外でも一緒です。
得意なこと、家庭環境、見た目など、基本的に私たちは違うことが当たり前の世界で生きています。
でも、今はその違いを受け入れられる人が少ないように感じます。。。
違いはあっていいんです。その違いを受け入れて違いというものを楽しめた時に本当の意味で自分と他人を受け入れられると思うんです!
自分を好きにならないと、他人のことも好きになれないですし、自分を大切にできない人は、周りも大切にできないのです。
自分と異なるものと接すると、異文化と接すると、人間は最初に拒絶反応が起きます。そして、違うものに対して、”良いor悪い”という判断をしがちです。
しかし、本当は、違いに良いも悪いもないんです。その違いを受け入れることが重要なんです。
それは、学校や仕事でも同じ。教室でも。友達とでも。
「違うことが良い悪いではないんだ!違いを受け入れて、自分を受け入れよう!」
こういう考えを、先生として常に忘れずに持っていたいです。
また、こういった考えの根底にあるのは、小さい頃から教わってきた「人はそのままで素晴らしい」という思想だと思います。
「何かが出来るからその子に価値があるのではない。そのままで命の価値があるんだ。」
そんな思想を持っているので、「〇〇ができるから凄いんだ!〇〇が出来るから親や先生から愛してもらえるんだ!」ではなく、「あなたは生きているだけで価値がある。愛されているんだよ。」ということを、子どもに伝え、人を必要とし、人から必要とされる教室づくりをしていきたいです。
2つ目の大事にしたい指針は、「可能性は無限大だよ!」です。
これは、子どものことだけを指しているのではありません。
私自身に対して、言い聞かせていることでもあるのです。
私も、Teach For Japanを通じて、自分自身の可能性が無限大であることを感じたいし、信じたいんです。
子どもたちにも、学校を通じて自分たちの無限の可能性を感じ、信じて欲しいんです。
教員免許のない私が教員をすることは、自分にとってとてつもないチャレンジです。
そんな私の姿を見て、子どもたちも自分たちのことを信じられるようになってほしいなって。
子どもたちと一緒に、私も成長していけたらなと思っています。
教員の役割について
Q. オンラインで簡単に良質な学習コンテンツにアクセスできる今、教員として求められる役割はなんだと思いますか?
AIが発達している現代においては、感性とか思いやりの心を育てていくことが教員に求められていると思います。
今後どんなに技術が進んでもAIが感性を教えたり、思いやりを教えたりすることは起こり得ないのでは・・・?と。
SDGsといった動きがあるように、世界各国が課題に対して同じく問題意識を持ち、協働しなければならない時代になっています。
だからこそ、教員に求められるのは、人間的な心を育てていくことかなと。
教員ってとっても重要な役割を担う仕事ですよね。やりがいがあります。
キャリアについて

Q. 現段階で考えているキャリアパスなどはありますか?
まだ具体的にどうするかは決めかねていますが、現時点ではTeach For Japanで赴任する間に教員免許を取って、2-3年後にはJICA(青年海外協力隊)で東南アジアとかアフリカに赴任したいと思っています。
日本語教師の資格、教員免許、指導経験があるので、様々な活動に経験を活かしていきたいなと。
日本語教育も一つの武器として、海外での仕事に繋げていきたいですね!
まとめ
とても明るくて元気いっぱいな彼女!
明るい笑顔の下に隠された熱い想いを聞くことで、僕もめちゃくちゃ刺激を受けました。
彼女なら、教員免許のあるなしに関わらず、必ず素晴らしい先生になると確信しています!
これから、学校現場でどんな活躍をするのか、今から楽しみで仕方がありません!
では、今回はここまで!
最後まで読んでいただき本当にありがとうございました!
また次回お会いしましょう!
*Teach For Japanのフェローに興味がある方は、連絡をいただければ可能な限り知りたいことを共有したいと思うので遠慮なくご連絡ください!
⬇︎Teach For Japan創設者である松田さんの熱い思いについて知ることができます。
⬇︎日本の公教育が抱える課題について簡潔にまとめてあります。