こんにちは。
ごりぱちです。
9才の時にぼんやりと「国際機関で働きたい!」と思ってから早17年。国際機関とは全く関係ない仕事をしているごりぱちです。
ただ、僕が辿った道を思い返すと、割と9才の頃に思い描いたキャリアに近いところにいたのかなと思います。
国際農学の学士と修士を取り、日本・途上国でJICAのプロジェクトに参加したりと、積極的に動いてきました。
大学院の1年生の時まで、気持ちは国際機関で働くことに傾いていました。
しかし、大学院のときに参加したいくつかのスタディーツアーとアジア放浪体験を通じて、国際機関で働くよりも、「いかにビジネスを生み出すのか」という方向に舵を切ることになります。
今回は、忘備録として、僕がどういった気持ちの変化で進路の舵を切っていったのかを書いていこうと思います。
キャリアの選び方として、進路で悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
では、レッツゴー!!!
国際公務員,国連職員になりたいと思った理由。
僕にとって、国際機関と言えば、真っ先に思い浮かぶのは国連でした。
小学生の低学年の頃見たドキュメンタリー番組で、アフリカの難民を取り上げていたのを見たのがきっかけで「なんでこんなに困っている人がいるんだろう。どうにかしたいなあ。」と思ったのが、初めて国際機関を意識した時でした。
小学3年生の夏休みの自由研究で、海水面の上昇について調べ、環境問題に強い関心を覚え、小学5年生の時に読んだ「成長の限界(ローマクラブ)」という本で、「世界の環境問題を解決せねば!!!」という思いに至ります。
ちなみに、この「成長の限界」という本は、農学系・環境系でのバイブル本らしいです。
1972年に出版され、世界中でベストセラーになりました。
「このままの人口増加・経済成長だと100年以内に滅びる。」という警鐘を鳴らした本です。興味がある方は是非ご一読ください!
国際機関と一言で言っても、組織は細かく分かれています。数が多すぎてなかなか全部を把握するのは難しいのではないでしょうか。
・各国際機関へのリンク一覧はこちら! by 外務省
僕は、環境問題や食糧問題に興味が強かったので、国際連合環境計画(UNEK) や 国際連合食糧農業機関(FAO) を意識します。
大学卒業後に東南アジアを半年ほど放浪した際に、現地で実際に仕事をしている職員の方とお話したり、大学院で行ったフィールド研修でプロジェクトに参加したり、研究室にいる国際機関から出向してきた方と接する中で、「世界平和に貢献してる仕事」に対して、ますます憧れが募って行きました。
実際、僕が大学院への進学を決めたのも、「国際機関で働くことにどうしてもチャレンジしたかった」という思いがほぼ100%を占めています。
そんなこんなで、僕は国際公務員に向けて活動をしていたのでした。
国際公務員,国連職員になるために必要なこと。
さて、「国際機関で働きたい!」と言っても、どうやって仕事を手に入れるのかをまずは調べなければなりません。
マイナビやリクナビで求人が出ているわけじゃないので、色々と方法を調べました。
すると、5つの方法が出てきます。
① 日本の独立行政法人であるJICAに就職して国際機関に出向する。
国際協力をしたい方にとって最も適切な就職先はJICAになります。
ここで活動する中で、国際機関へ出向されるパターンがあります。
自分がしていた仕事が、そのまま国際機関でも活かされるので、良いキャリアパスになります。
ただ、就職難易度も高く、なかなか入社まで辿り着きません。
僕の場合、民間企業での社会経験を積みたかったのと、どこに配属されるのかさっぱり分からない環境に飛び込むのも嫌だったので、JICAを受けることはありませんでした。
② 国連の空いているポストへ自分で調べて応募する。
各国際機関は、それぞれの組織でも採用活動をしています。
直接自分の行きたい組織に応募し、返事を待ちます。
正直、何もツテがない状態で応募しても確実に受からないので、この方法はオススメしません。
直接応募する代わりに、JPOやYPPへの応募をした方がよっぽど確度が高まります。
JPO・YPPに関しては、後ほど紹介します。
職員の退職、転任、転出、あるいはポストの新設によってPレベルもしくはDレベルのポストに欠員が生じた場合に国際的に公募されます。
ポストの職務内容と応募者の資格要件を具体的に表示した空席公告は、各国際機関のホームページの「employment」「recruitment」の項目に掲載されています。
by 外務省 国際機関人事センター
③ 青年海外協力隊→国連ボランティア計画→国連職員
青年海外協力隊で2年間の任期を終えた人の中で、評価が高かった方は国連ボランティア計画で更に2年間活動できるチャンスを得ることができます。
国連ボランティアの方が現地の国際機関と深い関係にあるらしく、そこで関係性を構築して現地の国際機関のインターンとして働き出し、正規職員の座を狙うことになります
僕の友達は、実際にこの流れで正規職員の座をゲットしていたので、間違いはないなかと。
ただ、めちゃめちゃ時間かかります。
青年海外協力隊で2年、国連ボランティアで2年、インターンで1年と、最低でも5年は割かないといけません。
5年と聞くと、そこまで長くないように思うかもしれませんが、異国の地で合計4年間しっかり全うし、インターンも1年間雇い続けてもらう必要があります。
お給料も、とても家族を養えるような金額を貰えるわけではありません。
単身者で、現場にとにかく入り込んで行きたい方にはいいと思いますが、家族をお持ちの方にはあまりオススメしません。
④ 国連事務局ヤング・プロフェッショナル・プログラム(YPP)に合格する。
国連事務局YPPは,国連事務局の若手職員を採用するための試験です。
日本人が国連職員になるための主な3つの方法のうち,空席公告,JPO派遣制度に並ぶ,採用制度の1つです。
年に一度試験が行われ,書類審査,筆記試験,面接を経て,合格した方はロスター(合格者名簿)に掲載されます。
合格後は,ポスト(P1またはP2)の空き状況に応じて,ロスター掲載者の中から選考が行われ,ポストに採用されます。
そのため,合格イコール採用ではありません。
ロスターの有効期限は3年間です。
ポストに採用されると,2年の任期で勤務し,勤務中の成績が優秀であれば引き続き雇用されます。
by 外務省 国際機関人事センター
応募資格としては、
(1) 応募時に32歳以下であること
(2)日本人であること
(3) 英語またはフランス語にて職務遂行ができること
(4) 募集分野に関連する学士号以上の学位を持つこと
の4つが求められます。
割と門戸が広いですよね。
ここに合格すると、合格者名簿に名前を連ねることになります。
その後、数多ある国際機関の中で欠員が出た際に、合格者名簿の中から選考が行われ、そこで合格すると2年の任期につくことができます。
しかし、合格者名簿に入り、3年間何もなかった場合、合格者名簿から除外されてしまいます。
うーん、なんだかなあ。ちょっと遠そうですよね。正規職員になるまでの道のりが。
YPPの詳細が気になる方は下のリンクからどうぞ!
・YPPに関してはこちら! by 外務省
⑤ JPO派遣制度に合格する。
外務省では,将来的に国際機関で正規職員として勤務することを志望する若手日本人を対象に,日本政府が派遣にかかる経費を負担して一定期間(原則2年間)各国際機関で職員として勤務していただくことにより,国際機関の正規職員となるために必要な知識・経験を積む機会を提供し,ひいては派遣期間終了後も引き続き正規職員として派遣先機関や他の国際機関に採用されることを目的として,JPO派遣制度を実施しております。
ただし,自動的に国際機関の正規職員となることが保証されるものではありませんので派遣期間終了後に正規職員となるためには,通常の手続きに従って空席ポストに応募して採用される必要性があります。
by 外務省 国際機関人事センター
応募資格としては、
(1) 応募時に35歳以下であること
(2) 日本人であること
(3) 英語で職務遂行ができること
*過去の合格者を見ると、TOEFLでは100点以上、IELTSでは7.0以上を獲得している人が多いようです。
(4) 外務省が派遣予定の国際機関に関係する分野で修士号以上を獲得しており、かつ、関連分野で2年以上の職歴を有すること
(5) 将来にわたり国際機関で働く意思を有すること
の5つが求められます。
YPPよりもグッとハードルが上がりましたね。
しかし、この制度はチャンスに溢れています。
合格すれば、必ず国際機関に2年間派遣され、給与もしっかり出ます。
*ちなみに、毎年3月に募集が開始されるようです。
国際機関で働いている方から「正規職員として国際機関に採用される確率が最も高い。」と言う話を伺っていたので、
僕は「⑤JPO派遣制度に合格する。」を目指すことにしました。
そうすると修士号と英語力がまずは必要となるということで、大学院への進学は僕にとって大きな意味を持つことになりました。
途上国で感じた国際公務員に対する違和感
大学院へ入学し、数多くの身のある経験をさせてもらいました。
外国人留学生が60-70%を占める環境で、日常生活のほとんどを英語に囲まれて過ごすことによって、僕の英語力は飛躍的に伸びていきました。
また、フィリピン・インドネシア・タイなど、東南アジアへのスタディツアーや放浪先で支援先の村人、省庁のお役人、国際機関の職員など、多くの関係者と会うこともできました。
これまで以上に、国際機関で働くということが身近になっていたのです。
しかし、現地に行けば行くほど、僕はとある違和感を感じるようになります。
僕は大学院での休み期間中に、フィリピンのとある農村へ行きました。
大学卒業後にアジア放浪した際に仲良くなった友達の地元の村です。
その村は国際機関から支援を受けており、村に小学校や図書館などを作ってもらったようです。
僕はそのことを全く知らない状態で現地に入り、その話を友達から聞くと「まじか!今それどうなってんの?見にいこうよ!」とうことで、現場へ連れて行ってもらいました。
すると、そこはもぬけの殻。誰もいませんでした。
彼に話を聞くと、こんな風に答えてくれました。
「10年前に学校とか図書館とかできて、すごい助かったんだけど、プロジェクトが5年前に終わったんだよね。
それまでは、プロジェクトのお金で回ってたのが、そのお金がなくなったとたんにお金がうまく回らなくなって、先生に払うお金がなくなったらしい。
それで、先生が辞めていって、生徒もいなくなって、学校終わっちゃった。」
箱はあるけど中身がない。
ものすごくむなしく感じました。
結局、現地の人だけで回せるプロジェクトではなく、一時的に村に介入し、小学校や図書館といった箱を作り、実績を書くものの、それが続けられていないのは大きな問題です。
またある時は、国際機関で働いていたことのある職員の方からこんな話を聞きました。
「結局、どんな国際機関だってアメリカの言いなりだよ。
国際機関の活動費はどこから出てるんだ?
各国からの援助費だろ?
そしたら、その援助費が1番大きな国が力を持つに決まってる。
国連がどれだけ決議を決めようとしても、アメリカがNoと言えばNoなんだ。」
なんだかんだ、お金が世の中を牛耳っているんだと感じることができた言葉でした。
こういった経験をする中で、僕に1つの考えが浮かんできます。
「自分でビジネスを起こすことは、立派な国際貢献なんじゃないか?」
ビジネスを生むことが最大の貢献ではないのか
ソーシャルビジネスという言葉を聞いたことはありますか?
ソーシャルビジネスとは、社会問題の解決を目的としたビジネスのことです。
その事業領域は、貧困問題、差別問題、まちづくりなど多岐にわたります。
最大の特徴は寄付金などの外部資金に頼らず、自らが事業収益が上げながら継続的に課題解決に取り組むことです。
by ボーダーレス・ジャパン
日本だと、田口一成さん率いるボーダーレス・ジャパンさんや、山口絵里子さん率いるマザーハウスさんが当てはまると思います。
結局、どれだけ無償でボランティアやったり、学校とか箱を作っても、それが続けられないと意味がなくなってしまいます。
資本主義の世の中だと、事業を続けられるかどうかは、結局のところ「どれだけお金を稼ぎ続けることができるのか?」という点に帰結します。
それならば、自分でビジネスを立ち上げ、雇用を生み、お金を稼ぎ、事業を継続し、社会課題の解決に取り組むことは、立派な国際貢献になりますよね?
こういった思考が僕の中で育ったため、僕は国際機関で働くのではなく、自分でビジネスを起こす方に舵を切ることになり、スタートアップで働き始め、社団法人を立ち上げる現在に至ります。
まだまだ修行の身ですが、自分も国際貢献できるようなビジネスに携わっていこうと思います。
国際貢献は、何も国際機関に勤めるだけではありません。
自分でビジネスを起こしたり、自分が感じた社会課題をブログで書いたり、人を集めてセミナーしたり、方法はいくらでもあると思います。
自分にあった方法で、コツコツ活動できれば、それは素晴らしいことだと思います。
たまたま、僕にとっては、ビジネスを生むのが楽しそうでもあるため、その道を選ぼうとしただけですからね!
では、今回はここまでです!
最後まで読んでいただき本当にありがとうございます!
また次回お会いしましょう!
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